大相撲春場所十一日目、今場所の優勝争いを占う大一番、白鵬―稀勢の里は、白鵬が寄り倒しで勝利し、この結果、1敗で白鵬、稀勢の里、豪栄道の3者が並びました。
悲願の初優勝を狙う、全勝の稀勢の里の前に立ちはだかったのは、やはり白鵬でした。結果だけ見れば、白鵬の一方的な相撲内容でしたが、両者間ではかなりの心理戦が繰り広げられたと思います。
稀勢の里からすれば、過去の対戦で白鵬に立ち合いで変化され負けた相撲も何番かありましたから、おそらく100%の力で踏み込むことはリスクが高いと判断し、立ち合いは「変化にも対応できる踏み込み」で立ったと思います。
しかし、白鵬はそれを見透かしたかのように、反対に立ち合いは全力で厳しい踏み込みで立ち、結果稀勢の里を圧倒しました。白鵬の過去の「立ち合い変化」が活きた一番だったと思います。
白鵬は、右差し左前褌狙い、張り差し、カチ上げ、そして左右の変化+猫だましと立ち合いのバリエーションがかなり豊富な力士ですから、相手は的を絞りづらいでしょうね。そして、それが白鵬の強さの一つの要因であるのは間違いありません。
今日の結果を踏まえ、優勝争いは「白鵬が有利」となりました。白鵬が明日、豪栄道に勝ち、稀勢の里が日馬富士に敗れれば、今場所も「試合終了」でしょう。しかし、明日豪栄道が勝つようなことがあれば、2敗力士まで十分優勝の可能性が広がりますから、そうなれば大混戦の展開となります。
明日の豪栄道戦、白鵬の立ち合いは今場所多発しているエルボー気味のカチ上げの可能性が高いと思いますが、実質「優勝が決まる一番」だけに、変化も十分考えられます。
明日の白鵬―豪栄道戦、非常に楽しみです。
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