毎日激しい稽古をする力士達にとってかかせないのがやはりちゃんこ鍋。
一般の方は、あの常人離れした力士の大きな体を想像すると「ちゃんこ鍋って太りそう」と感じる方も多いかもしれません。
しかし、力士の体が大きくなるのはチャンコを食べているからではありません。「空腹で激しい稽古→お腹いっぱい食事をする→すぐに昼寝」と、この生活習慣を続けることであの力士らしい独特の体つきが出来あがっていくのです。
ちゃんこ鍋は肉又は魚、豆腐、きのこ類や野菜と、具材が何種類も入った非常に栄養バランスの良いヘルシーな健康食です。具材を煮ることで消化もよく、野菜類も生で食べるよりもたくさん摂取することができます。
そして相撲部屋のちゃんこは、基本的には寄せ鍋のように肉と魚を一緒に入れるようなことはしません。メインとなるのは肉か魚かのどちらかです。
何故なら、肉と魚を一緒に入れてしまうと、肉、魚がもつそれぞれの独特の風味が損なわれてしまうからです(肉は飽和脂肪酸、魚は不飽和脂肪酸)
そして、一つの鍋を皆で囲んで食べることが最高のコミュニケーションの場になります。
私の師匠の鳴戸親方は相撲界でも有名なほど厳しい師匠でした。稽古場で力を抜いた稽古をしようものなら、それはそれは強烈なカミナリを落とされたものでした。
しかし、そんな怖い親方でも一緒にちゃんこ鍋を食べる時には、「今日は尾崎の地元から頂いた差し入れの魚をつかった鍋だぞ」、「お前はまだまだ線が細いから、沢山食べて体を大きくしないとな」などと、すごく優しい言葉をかけてくれました。
弟子を褒めるようなことは滅多にしない親方でしたが、ちゃんこを通しながら弟子対しての気遣いをされていたのでしょうね。
このようにいいことづくめのちゃんこ鍋、これから寒い季節にかけては更に美味しく感じられることと思います。
12月21、22日には平戸市文化センターにて「平戸鍋ざんまい喰らいMAX」が開催されます。当日は私も参加させて頂いて、皆さんに美味しい鍋を振舞いたいと思っておりますので、沢山の方のご来場をお持ちしております。
「平戸鍋ざんまい喰らいMAX」
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