大相撲九月場所が終わりました。
結果的には白鵬が31回目の優勝を果たしましたが、今場所の話題を独占したのが13勝を上げた新入幕の逸ノ城でした。
前評判通りの活躍、というより想像以上の活躍を見せてくれました。192センチ、199キロというかなりの巨漢力士ですが、大型力士にありがちな「脆さ」がなく、自分の大きな体をしっかりコントロールできているという印象を受けました。
体型的な違いもあって、白鵬や日馬富士のような俊敏さはありませんが、相手の攻めをまともに受けても後退しない体力と、しっかりとした 右四つの型をもっていて、 取り口に安定感があります。
そして、新人らしからぬ落ち着きと、したたかさも兼ね備えている力士です。横綱、大関戦ではまさかの立ち合い変化を見せ、見ている側としてはかなり残念な内容の相撲となってしまいました。
しかし、「まさか相手は自分が変化するとは思っていないだろう」 と対戦相手の心理を読む余裕と、対戦相手に「こいつには思い切り当たっていかないと危ないな」と思わせるものがなければ、変化も決まらないわけですから、やはり総合的に見て逸ノ城が勝ったということになると思います。「受けても勝てる」と思えば、相手はリスクを冒してまで、立ち合いで思い切り突っ込んではいきませんから。
真価を問われるのはやはり来場所以降です。
対戦相手も当然、逸ノ城の取り口を研究してくるわけですし、そう簡単に自分の 得意の体勢にはさせてはくれないと思います。しかし、上位に躍進する来場所でも、研究してくる相手を凌駕して、終盤まで優勝争いをするようなことになれば、これは白鵬級の力士になる可能性があります。
11月の九州場所ではどんなドラマが展開されるか、今から非常に待ち遠しいです。
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