今日は藤戸則弘氏による「当面の投資環境と運用戦略」のセミナーに行ってきました。藤戸氏は三菱UFJモルガンスタンレー証券の投資情報部長をされている方です。
マクロ経済から見た株や為替の当面の投資戦略がテーマだったのですが、そこには希望的観測などは全くなく、アメリカ、中国、欧州、日本と様々な国の各指標やデータを徹底的に分析し今後を予想している内容で、聴いていて今日は本当に勉強になりました。
今年参加したいくつかのセミナーでもそうでしたが、今年は「円安株高に向かう」と予想するエコノミストが多い中、藤戸氏は予想は「現状は決してそんな楽観視できる状況ではない」というものでした。
藤戸氏によれば、
○ギリシャ・スペインなどの「欧州リスク」が中国、そしてブラジルなどの新興国にも今後更に波及していく。日本は「借金1000兆円」などとマイナスイメージばかり言われているが、世界でも有数の債権国。資産も十分にある国なので、為替は今後も避難先として円が買われる傾向はしばらく続く。
○国内株式市場はもう「一部上場している大会社の株を保有してさえおけば、いずれはプラスになる」という時代ではない。目先高値と判断したら確実に利食いするというスタンスでないと生き残れない。今年は夏に安くなりそうなので、そこが買い場ではないか。
○17日のギリシャ総選挙で急進左翼連合が政権をとれば、ユーロ離脱の可能性は高まる。そうなれば、更なるユーロ安(88円~90円)と欧州問題を引き起こす展開になる
と、他にも色々な分析がありましたが、トータルで考えれば、「底打ち」はまだ先になるという見方でしたね。
まずは6月14~15日の日銀政策会合、17日のギリシャ総選挙に注目とのこと。
藤戸氏は来週のテレビ東京のモーニングサテライトに出演するらしく、ギリシャ選挙などを踏まえた上での、今後の動向に関する藤戸氏のコメントが楽しみです。
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